【日本ダービー】スキルヴィング急性心不全でゴール入線後死す ルメール「とても悲しいです」
「日本ダービー・G1」(28日、東京)
節目の90回目を迎えた3歳頂上決戦を制したのは、新種牡馬サトノクラウン産駒の4番人気タスティエーラ。2着に敗れた皐月賞の雪辱を果たし、世代7708頭の頂点に立った。ダミアン・レーン騎手(29)=豪州=は4回目の騎乗で初勝利を飾った。2番人気のスキルヴィングはゴール入線後に転倒。急性心不全で命を落とした。
ショッキングな結末となった。2番人気に支持されたスキルヴィングは17着。中団から徐々にポジションを上げ、3角過ぎには好位の外め。いつでも自慢の末脚を発揮できる態勢に入ったが、ルメールは異変を察知。追うのをストップした。
ゴール入線後、主戦はスタンド前で下馬。内から馬体を支えるように寄り添ったが、相棒は力尽きて内ラチ付近へ倒れ込んだ。
観衆が固唾をのんで見守るなか、鞍上が心配そうになでていたものの微動だにせず−。その後、青葉賞馬は起き上がることなく、息を引き取った。
JRAの発表はレース中の急性心不全発症。オーナーのキャロットクラブはすぐにホームページを更新し、ルメールは「とても楽しみにしていた馬だけに、とても悲しいです」と悲痛なコメント。
木村師も「馬は一生懸命に走り、頑張ってくれました。おそらく長く苦しまずに天に旅立ったのだと思います。期待の大きな馬で、ダービーだけでなくこの先もと思っていただけにとても残念ですし、胸が苦しいですが、天国で幸せに過ごしてくれることを心から願っています」と無念の思いをつづった。
皐月賞馬と同じキタサンブラック産駒として注目を集め、青葉賞覇者初のダービー馬を期待されていたが…。第90回という節目に、悲劇も刻まれてしまった。