車体の下に園児が潜り込んだ所沢第六文化幼稚園の送迎車

埼玉県所沢市北野の認定こども園「所沢第六文化幼稚園」で６月２７日朝、車体の下に男児１人が潜り込んでいたのに気づかないまま、送迎車を発車させていたことが分かった。
発車時に職員が助け出し、男児にけがはなかった。市は園と運営法人に、再発防止策の徹底を指導した。

同園では昨年７月にも送迎バスから男児を降ろし忘れた事案があった。同市は重大事故につながりかねないケースについて報告するよう求めていたが、園は今年６月の潜り込み事案について報告していなかった。今月１２日に保護者からの通報を受けた市が、園から事情を聞いたという。

市の調査によると、園内に到着した送迎車の最終便から園児が降車し終えた頃、前の便で到着して園庭で遊んでいた年少クラスの男児が後輪側の車体下に潜り込んで寝転んだ。移動のため送迎車が発車したとほぼ同時に、職員が車体の下にいた男児を抱え上げたという。当時、約５０人の園児が園庭で遊んでおり、送迎車の周囲には園児が近づける状況だった。

市は１６日、園側への指導を実施。再発防止策などの改善計画の提出や、保護者への説明、事故発生時の報告の徹底などを文書で求めた。
市は同日、市内の全保育施設にも、事故につながりかねない事案の報告を求める通知を送った。

園は送迎車の乗降場所と園庭の間に柵を立てるなどの対策を実施したという。読売新聞の取材に対し、園の運営法人は「再発防止策と、万が一の事案が発生した場合は市への報告を徹底していく」とした。
昨年７月の降ろし忘れ事案では、車内で寝ていた男児を乗せたまま、送迎バスが別ルートに出発した。車内には冷房が利いていたため、男児は無事だった。