ベラルーシで拘束の邦人 スパイ活動容疑で捜査
ベラルーシ国営放送は5日、同国で7月に拘束された元日本語教師の中西雅敏さんに関する特別番組「東京から来たサムライの失敗」を放映した。番組の中でベラルーシ国家保安委員会の当局者はスパイ活動容疑で捜査しているとし、中西さんについて「捜査に積極的に協力し、違法行為の詳細を証言している」と語った。
番組は約16分間。中西さんが「私の活動はベラルーシの安全に損害を与えた。私は悪いことをした。後悔している」とロシア語で語り、容疑を認めている様子を伝えた。治安当局の主導で撮影されたとみられ、中西さんの真意を反映しているかは不明。
番組によると、中西さんは2018年から6年間に9千枚以上のベラルーシ・ウクライナ国境地帯の写真を撮影。撮影した素材は日本の国家公安委員会と関係している男性に送ったと証言し「送った橋や鉄道の写真は、将来的に可能性がある米国やウクライナによる攻撃に活用され得る」と語った。
ベラルーシ当局者は、中西さんがベラルーシの軍事インフラのほか軍部隊や軍装備の移動に関する情報も収集していたと指摘。外国情報機関の要員とも国内で接触していたと主張した。
中西さんはベラルーシ南東部ゴメリ州にあるゴメリ国立大付属の教育機関で日本語を教えていたが、番組によると出国前に拘束された。現在は国家保安委員会の拘置施設に収容されているという。