メキシコに初の女性大統領「女性の時代が来た」左派のシェインバウム氏
メキシコの首都メキシコ市で1日、大統領就任式が開かれ、左派クラウディア・シェインバウム氏(62)が女性として初めて就任した。ポピュリスト的な政策で絶大な人気を誇ったロペスオブラドール前大統領の路線継承を宣言した。悪化した治安の改善が課題。外交では不法移民の流入問題を抱える米国との関係が焦点となる。任期は6年。
シェインバウム氏は「女性の時代が来た」と演説。性別に関係なく、願いがかなうことを夢見てきた女性らと共にあるとし「あらゆる差別を非難する」と強調した。
貧困対策を最重視すると表明。犯罪の減少を「約束する」と訴え、若者に教育や就業の機会を与えることで犯罪組織への加入などを防ぐとの考えを示した。法執行機関の強化も打ち出した。
ロペスオブラドール氏は在任時、外遊を限定し米国を数回訪れるなどにとどまった。現地メディアによると、シェインバウム氏もその方針を踏襲し内政に注力する意向だ。外相にはデラフエンテス元国連大使を選んだ。
就任式には約100カ国の代表が参加。米国からはバイデン大統領の妻ジル氏が出席し、日本からは中曽根弘文元外相が派遣された。
シェインバウム氏はメキシコ国立自治大の研究者を経て政界入り。2014年にロペスオブラドール氏らと共に左派政党、国家再生運動(MORENA)を結党。18〜23年にメキシコ市長を務めた。6月の大統領選で、野党連合候補に大差で勝利した。