マイナ保険証一本化、歯科医師ら100人が「撤回を」 厚労省担当者も「まだまだ懸念を抱いている人が…」
12月2日に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化する政府方針に対し、歯科医師ら約100人が、撤回を求めて国会内で集会を開いた。
歯科医師らは、マイナ保険証の利用率は9月時点で13.87%と低迷している上に、医療機関の7割でトラブルが起きていると指摘。
「国民の理解が得られていない」として、厚生労働省とデジタル庁に現行の保険証の存続を求めた。
◆カードリーダーの操作説明「スタッフに負担」
集会で、厚労省の担当者は「まだまだマイナ保険証の利用自体に懸念を抱いている人も一定数いる。
引き続きカードの安全性や利用に向けた周知を行うとともに、資格確認書の活用も含めて丁寧に周知していきたい」と答えた。
政府が保険証廃止の理由の一つに挙げている不正防止に関して、担当者は「不正の数を把握することは難しい」とした。
歯科医師で三重県保険医協会の鵜飼伸副会長は、「マイナ保険証のカードリーダーの操作説明などでスタッフに余計な負担がかかっている」と話した。
集会には、全国の開業医らで構成する「全国保険医団体連合会(保団連)」や、全国労働組合総連合(全労連)などでつくる「マイナンバー制度反対連絡会」が参加した。
◆「仕組み複雑、障害者置き去りに」
この日は、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂でも、現行の保険証廃止反対を訴える集会が開かれた。医療関係者や障害者団体のメンバーが参加した。
「障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会」の家平悟事務局長は、「マイナ保険証などを使った保険資格確認の方法が8種類にも及ぶという。ほとんどの国民が理解できない複雑な仕組みを作ることは、意思疎通が困難な障害者を置き去りにするもの。少なくとも保険証は残すべきだ」と訴えた。
集会後、参加者は東京・銀座をパレードした。