トランプ氏、メキシコ湾の名称を「アメリカ湾」に改めると表明 グリーンランド購入にも意欲
トランプ次期米大統領は7日、北大西洋条約機構(NATO)各国の国防費を国内総生産(GDP)の5%に引き上げるべきだと明言した。デンマーク領グリーンランド購入への意欲も強調し、デンマークが応じなければ関税を課すとして圧力をかけた。米国の安全保障にグリーンランドが必要だと主張した。
南部フロリダ州の私邸マールアラーゴで記者会見した。20日の大統領就任まで2週間を切る中、米国第一主義の姿勢が改めて鮮明になった。日本や韓国などインド太平洋の同盟国にも今後負担増を求める可能性がある。
NATOは、国防費の目標をGDPの2%としているが、約3分の1の加盟国が達成できていない。5%への引き上げは困難が伴いそうだ。記者会見で、トランプ氏は「可能だ。2%ではなく5%にすべきだ」と訴えた。
戦略的に重要な北極圏に大部分が位置するグリーンランドを米国領にすることや、中米パナマ運河の管理権を得るために軍事力や経済的圧力を使うかと質問され、使わないとは「保証はできない」と含みを残した。
トランプ氏の長男ジュニア氏は7日、グリーンランドを訪問した。AP通信によると、私的な旅行でグリーンランド自治政府当局者との会談予定はない。
トランプ氏は、隣国メキシコが米国に巨額の貿易赤字をもたらしていると不満をあらわにし、米国南部に面するメキシコ湾の名称を「アメリカ湾」に改めると表明。カナダを米国の51番目の州にするため経済的な圧力をかける考えも示した。
トランプ氏は20年大統領選の敗北を覆そうとした支持者らによる議会襲撃事件に絡み「大規模な恩赦をする」と宣言した。ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領が「私と会いたがっているのを知っている」と述べた。会談時期の見通しには言及しなかった。