掲げられた中国国旗（2022年撮影）

台湾メディア「自由時報」は4日までに、日中関係緊張の中で、中国人観光客がスムーズな旅行のためパスポートに「台湾のパスポート」のデザインのカバーを付けて日本国内を訪れた様子を投稿したところ、在日台湾人からSNSで指摘され、話題になっていると報じた。

同メディアは、「高市早苗首相による『台湾の安全』に関する発言をきっかけに、日中外交の緊張が再び高まり、両国の国民感情が高まっている」と切り出すと、「日本国内での差別を避けるため、ある中国人観光客が中国のパスポートを『台湾パスポートカバー』で隠したできごとが話題となった」と伝えた。

記事では「ある中国人ネットユーザーがソーシャルメディアで、『中華民国（台湾）』と印刷された緑色のパスポートカバーを購入し、中国のパスポートの上に直接付けて、旅行をスムーズにしたと投稿した。また、他のネットユーザーが『参考に』できるよう、（中国大手ショッピングサイト）タオバオで販売されている日本のパスポートカバーも披露した」と報じた。

この投稿は、在日台湾人の名義のスレッズに投稿され拡散したという。同メディアは「投稿に対して非難が起きており『中国人よ、台湾人や日本人のふりをするのはやめてほしい』という声が多数寄せられた。このニュースは台湾でも多くのコメントを集め、『これは法律違反ではないのか？』『タオバオは本当に何でも売っているのか！」など疑問の声が上がった。「税関職員は中国と台湾を見分けられる。これはただの自虐だ」との声もあったと伝えた。

同メディアはまた、韓国では逆の事態が発生したと報道。「反中感情の高まりを受け、多くの台湾人観光客が中国人と間違われるのを避けるため、『私は台湾人です』というバッジを身に着けた。写真が拡散すると一部の韓国人ネットユーザーは謝罪し、『本当に憎悪をあおるのは少数派だ』と強調した」と報じている。