塩害で脱水状態、紅葉前に名所落葉「冬のよう」
関東南部や静岡県の紅葉の名所で、シーズン本番を前にモミジやイチョウなどの葉が枯れる被害が相次いでいる。
先月30日夜から1日未明に本州を縦断した台風24号により、海から塩分を大量に含んだ強風が吹きつけ、葉が「脱水状態」になった塩害とみられる。
年間延べ2000万人以上の観光客が訪れる神奈川県鎌倉市では、由比ヶ浜から鶴岡八幡宮に向かって延びる参道「若宮大路」(約2キロ)の木々がダメージを受けた。
中央を通る歩道「段葛だんかずら」の約180本の桜並木の葉は早々に枯れ落ち、4本のイチョウも葉が茶色に変色した。
例年なら11月下旬に紅葉本番を迎えるが、すでに冬のような光景となり、近くで土産物店を営む女性(75)は「今年は葉が落ちるのが早くて寂しい」と肩を落とす。
海岸から約500メートル離れた長谷寺は、モミジ約120本のうち約10本の葉が枯れ、枯れた部分を切り落とした。
海岸から3キロ近く離れた浄智寺もヒガンザクラやイチョウの葉が枯れ、朝比奈恵温住職は「残った葉も、きれいに色付くか心配」と話した。