成田空港「陸の孤島」に 1万3000人足止め 台風去っても首都圏混乱
記録的な暴風を伴った台風15号が9日、関東地方を直撃し、各所に影響を与えた。成田空港では鉄道やバスなどの長時間運休のため、大勢の利用客が空港から出る手段を失って足止めされ、「陸の孤島」となった。
成田国際空港会社(NAA)によると、午後8時現在でターミナル内には約1万3000人がとどまり、NAAは利用客に水やクラッカーを配布。このまま空港内で一夜を明かす利用客もおり、寝袋も配った。
家族5人でハワイから帰国した横浜市中区の会社員・落合亜紀子さん(39)は「まさかこんなに足止めになるとは。イライラする」と話した。
千葉県市原市では暴風でゴルフ練習場のポールがネットごと倒れ、近くの住宅十数棟に直撃。住人の20代女性が軽傷を負った。
東京電力によると、最大約93万軒で停電が発生。千葉県南部など台風被害の大きい地域では9日中に復旧しなかった。
東京湾内では船の漂流が相次ぎ、橋に接触したり、貨物船同士が衝突したりした。
東京都世田谷区では強風であおられて近くの壁にぶつかったとみられる50代女性が死亡。ほかに2人が死亡し、全国で60人以上がケガをした。