米国6州で数十の竜巻発生、死者100人超か 粉々になった建物や車の残骸
米南部や中西部など6州で10日夜から11日未明にかけて数十の竜巻が発生し死傷者が相次いだことを巡り、大きな被害が出た南部ケンタッキー州のビシア知事は11日、州内の死者が少なくとも70人に上る恐れがあると述べた。
犠牲者は最終的に100人を超える可能性もあるという。甚大な被害が出る中、救助活動が本格化した。米メディアが伝えた。
被害を受けた一帯には粉々になった建物のがれきの山が広がり、車の残骸も目立った。被害が広範囲に及び全体状況は不明のままだ。
ビシア氏によると、建物が全壊し多数が死亡したとみられるケンタッキー州西部メイフィールドのろうそく工場には竜巻の直撃時には内部に約110人がいた。うち約40人が救助されたという。
ビシア氏は「今回の竜巻による被害は州の歴史の中で最悪だ」と指摘。連邦政府に支援を要請し、州兵も動員して対応に当たっている。
ホワイトハウスによると、バイデン大統領は11日、ビシア氏ら各州知事と電話で会談し緊密な連携を確認。
連邦緊急事態管理局(FEMA)や国土安全保障省当局者らから被害について報告を受け、連邦政府の人員や物資を速やかに被災地に提供するよう指示した。
犠牲者が確認されたのは他に南部のアーカンソー、テネシー、中西部のイリノイ、ミズーリの各州。
イリノイではインターネット通販大手アマゾン・コムの倉庫が一部崩落し複数が死亡、アーカンソーでは高齢者施設が崩壊し1人が死亡した。