大地震死者2万1000人超 トルコ、シリア懸命の捜索も救助活動難航 反体制派地域には物資
トルコ南部を震源とする大地震で、被災したトルコと隣国シリアの当局などによると、確認された死者は9日、両国で計2万1千人を超えた。厳しい寒さの中、倒壊した建物などからの生存者の救出は時間の経過とともに困難さを増している。被災地では懸命の捜索が進められた。
国連は9日、地震が6日に起きてから初めて、被災したシリア北西部イドリブ県にトルコ国境を通じて物資を搬入した。イドリブ県はシリア内戦でアサド政権に対抗する反体制派の最後の拠点で、国際支援が行き届かない恐れがあると懸念されていた。
両国の被災現場では、重機を使うなどして救助活動が続くが、難航している。がれきに埋まったままの人も多いとされ、死者数はさらに増加する可能性が高い。
トルコ当局によると、トルコで1万7674人の死者を確認した。3千人超のシリアの死者も合わせ、1999年に1万7千人以上が犠牲になったトルコ北西部大地震を上回る惨事となっている。
トルコの負傷者は7万2千人以上。トルコでは日本の国際緊急援助隊・救助チームなど各国の救援隊も活動を続けている。
シリア国営通信によると、中国紅十字会(赤十字会)がシリアに救助チームを派遣。アサド政権が掌握する首都ダマスカスには、支援物資を積んだベネズエラやオマーンなどからの飛行機が到着した。