キダ・タローさん死去 93歳「浪花のモーツァルト」CM、番組テーマソングなど“自称”5000曲作曲
「浪花のモーツァルト」として親しまれた作曲家でタレントの作曲家のキダ・タロー(本名・木田太良=きだ・たろう)さんが14日、死去した。93歳。兵庫県宝塚市出身。葬儀・告別式は近親者で行われた。所属事務所が公式サイトで発表した。
手掛けた曲では、番組テーマソングでは「プロポーズ大作戦」、「ラブアタック!」、CMでは「出前一丁」、「かに道楽」、「小山ゆうえんち」などがある。歌謡曲としては1964年「ふるさとのはなしをしよう」(北原謙二)が代表曲。「アホの坂田」のテーマも作曲した。
作った曲数については、さまざまな説があるが「それは裏が取れる話ではなく、自分で言いたい放題」として自称5000曲としていた。「メロディ―だけならいくらでも作れる」とも語っていた。在阪のテレビ局では、テーマ曲に困った時の駆け込み寺存在だった。
兵庫・宝塚市で6人きょうだいの末っ子として誕生。父親は県警捜査1課の刑事だった。結核で若くして亡くなった長兄のアコーディオンに幼いころから親しんだことが音楽を始めたきっかけだった。関西学院高等部在学中に同級生だった俳優藤岡琢也さん(06年死去)とタンゴバンドを結成し、キャバレーを回って小遣いを稼いでいた。その後、大阪・難波のキャバレーにピアニストで雇われ、同店の周年記念曲で初めて作曲を担当した。
妻はタレントの木田美千代。33歳の時にキダさんが猛アタックで結婚。おしどり夫婦としても知られた。
「最高顧問」として出演していた朝日放送「探偵!ナイトスクープ」には4月19日の放送回が最後の出演となった。