埼玉・八潮の陥没事故 発生から72時間、救助継続 スロープ準備、重機投入へ
埼玉県八潮市の県道が陥没しトラックが転落した事故は31日午前、災害現場で不明者の生存率が下がるとされる発生から72時間を経過した。運転手とみられる男性(74)の救助活動を続ける地元消防の担当者は「今やっていることが最善の方法と考え、救助を進めるだけだ」と述べた。大量のがれきを撤去するため、穴の中に重機を投入するスロープの設置準備を急いだ。
陥没の穴は、28日午前の発生から徐々に拡大。消防によると、幅約40メートル、深さ最大約15メートルになった。地下で破損した雨水管から、川の水が穴の中に逆流している可能性があり対策している。海の満潮の影響で川の水位が上昇し、水が雨水管をさかのぼったとみられる。
県や消防によると、現場近くの飲食店駐車場から、穴につながる長さ約30メートルのスロープを造るため、建設業者の協力を得て、地面を掘削。完成後、重機でがれきを取り除いた上で、隊員らが穴に入り、手作業で男性を捜索する方針だ。
スロープは30日午後から造り始め、完成までに2〜3日かかるとみられる。状況次第では完成前に隊員が穴の中に入る可能性もあるという。
事故は28日午前9時50分ごろ、陥没を目撃した男性が110番した。30日未明には、2つの穴の間にあった道路が崩落し、1つにつながった。