日本一危険な動物園「ノースサファリ」撤去計画提出 違法建築・動物大量死発覚…膠着20年の末
ノースサファリサッポロの運営会社「サクセス観光」は、建物の全撤去を求める札幌市に対して、施設の撤去計画について今週中にも提出するとしていました。
札幌市によりますと、その計画書が18日に提出されたということです。
ノースサファリサッポロは“日本一危険な動物園”とも言われ、市民や観光客などに人気のスポットでしたが、2月に入り、宅地や商業施設の開発が制限される「市街化調整区域」に無許可で建物を建てて営業していることが分かりました。
札幌市はオープン前の2004年に2棟の違法建築を確認し、これまで20年にわたり建物を撤去するように指導してきましたが、運営会社は応じていません。
札幌市によると、建物の数は2024年3月までで156棟まで増えています。
この状況について、運営会社の社長は以前のインタビューでー
(サクセス観光 星野和生社長)「営業許可を取って営業していればそれほど問題ないのかなという認識が甘かったのが原因です。今後は市と協議しながら、全て違法状態ないように、動物にとっても良い環境を作るように最善を尽くします」
社長は反省を口にしましたが、過去に動物の飼育環境に問題があったのではないかと思われるような事実が新たに分かりました。
これはノースサファリサッポロに関する札幌市の文書です。そこに書かれていたのはー
「ノースサファリサッポロで飼育されているゴマフアザラシは飼養登録がなされていない」
市に寄せられた情報でした。
ノースサファリは2015年に、業者から野生のゴマフアザラシを9頭購入していましたが、市に届ける必要がある「飼養登録」を行っていませんでした。
市が立ち入りで確認するとー
アザラシは9頭中7頭が死んでいました。購入から無登録状態にあった5年間で大量死が明らかとなったのです。
札幌市の秋元市長は、20年に及ぶ膠着状態について反省を口にしています。
(札幌市 秋元克広市長)「途中で規模を拡大していく状況が見えた段階で対応する余地があったのではないか」
さきほど撤去計画を提出した、ずさんな経営体制ともいえるノースサファリサッポロ。
このあと午後6時半から、市の開発指導課長がマスコミの取材に応じる予定で、今後の方針が明確に示されるのか注目です。