「トクリュウ」首都圏強盗の指示役か…20代の4人逮捕 「闇バイト」で実行役を募集、グループで18件に関与か
昨年に首都圏で起きた連続強盗のうち、千葉県市川市での事件を指示したとして、警視庁など4都県警の合同捜査本部は5日、強盗致傷と住居侵入の疑いで、住所職業不詳、福地紘人容疑者(26)ら男4人を逮捕したと発表した。「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」による一連の強盗事件で、指示役とみられる容疑者の摘発は初めて。
◆2000万円以上の金品奪ったか 横浜では男性死亡
他に逮捕されたのは、職業不詳の渡辺翔太(26)=仙台市=と、いずれも住所職業不詳の斉藤拓哉(26)、村上迦楼羅(かるら)(27)の3容疑者。
警視庁石神井署に入る渡辺翔太容疑者=4日、東京都練馬区で(市川和宏撮影)
捜査本部は4人を含むグループが昨年8〜11月、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で、18件の強盗に関与し、2000万円以上に相当する金品を奪ったとみており、全容解明を進める。
18件は、交流サイト(SNS)で「ホワイト案件」などと装った「闇バイト」に応募した実行役が、民家などに侵入して住人を縛り、現金や貴金属を奪う手口。多数のけが人が出たほか、昨年10月には横浜市青葉区で70代の住人男性が死亡した。捜査本部は実行役らのスマートフォンや防犯カメラ映像を解析し、指示役を追っていた。
逮捕容疑では、昨年10月17日未明、千葉県市川市の民家に侵入し、50代女性を殴るなどして2カ月のけがを負わせた上、「殺すぞ」と脅して現金4万8000円の入った財布や軽自動車を奪ったとされる。
捜査関係者によると、4人はSNSで面識のない実行役を募集し、匿名性の高い通信アプリ「シグナル」を使って、狙う民家や奪った金品の運び先を指示した可能性がある。
4人のうち福地容疑者は準暴力団の関係者で、他の3人とは知人などを通じて知り合ったという。
