休館中の「山の上ホテル」、明治大学が土地・建物を取得
明治大学は15日、東京・神田駿河台にあり数多くの文豪が利用したことで知られる「山の上ホテル」がある土地と建物を同日付で取得したと発表した。2031年の創立150周年の記念事業の一環として再整備するという。
山の上ホテルは池波正太郎や川端康成などの文豪が定宿として利用した「文化人のホテル」として知られる。24年2月13日から建物の老朽化に対応するため休館している。
明治大によると、現状の外観は維持したまま改修工事を実施し、ホテル機能は継続させる。学生支援や地域連携の機能としても利活用できるよう検討を進める。同大広報課によるとホテルの再開時期など詳細は未定という。「本学の新たなシンボルとして継承していく」と強調した。
山の上ホテルはホームページ上で「歴史と伝統を継承いただき、さらに発展していくことを願っている」とのコメントを出した。
周辺の神田・神保町は出版社が多く、ホテルは数々の作家に執筆活動のため使われた。メールやファクスがない時代には、締め切り前になるとロビーに原稿を待つ出版社の人たちが集まったという。