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サンモニ識者「老人の老人による老人のための政治」の問題点指摘「宗教団体の新しい役割」も言及

TBS社屋

政治評論家で多摩大学学長の寺島実郎氏が17日放送のTBS系報道番組「サンデーモーニング」(日曜午前8時)に出演し、1人暮らしの高齢者の増加による社会的な問題点について、持論を展開した。

番組では、2050年には、65歳以上の1人暮らしの割合が全国32道府県で20%を超える可能性があることなどを紹介。寺島氏は「1人暮らしの高齢者が増えているというのは、考えてみれば戦後日本がここに帰結したとも言えるわけですよ。つまり産業化と都市化を推し進めて、家族は核家族。1人いなくなっていけば、どんどん1人世帯になっていっちゃう」と語り出した。

続けて「そこで2050年に向けて日本は、高齢者人口が人口の4割を占める方向にどんどん迫ってくる。これは選挙ということで考えたら、有効投票の6割…つまり若い人が投票に行かず高齢者が投票に行く、という傾向が続けばなんですけど、実際に投じられる有効投票の6割は高齢者票によって日本が決まることになっちゃう。それは一言で言えば『老人の老人による老人のための政治』になっちゃうのか、ということ」と指摘した。

その前提で「老人の1人暮らしが問題となる理由は、社会から隔絶して、情報面でも、新聞も読まない、SNSの情報も届かないという類のところで判断する、という危険ですよね。社会との接点だとか参画というのをいろんな形で模索しなくてはいけない。そうでないと、自分の持っている株が上がるように、程度の行動しかしなくなっちゃう」と問題点をあげた。

寺島氏は、1人暮らしの高齢者への対応について「情報の結節点がすごく重要なんです、高齢者にとって。つまりNPOだったりNGO的な活動だったり、こども食堂的な話もコミュニティーという意味においてものすごく重要。組合なんていうのも別な意味で重要になってくるし、あえていうなら宗教団体なんかの新しい役割も問われてくる」と持論を展開。キャスターの膳場貴子が「ほうほう」とうなずくと、寺島氏は「そういう時代に日本が今、入っているということを腹にくくるべきだと思いますね」と続け、膳場も「このまま手をこまねいているのではなくて、具体的にやれることをやっていきたいですよね」と応じた。

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