備蓄米の引き渡し開始、早ければ今月下旬に店頭へ…江藤農相は追加放出の可能性に言及
流通の円滑化を目的とする初の政府備蓄米の放出が18日始まり、埼玉県内の倉庫では落札した事業者への引き渡しが行われた。農林水産省によると、引き渡しは今後本格化し、早ければ今月下旬にもスーパーなどに並ぶ予定という。
埼玉県内の倉庫では同日午前、全国農業協同組合連合会(JA全農)が落札した2024年産の備蓄米の米袋400袋(玄米30キロ入り、計12トン)が、次々とJAグループのトラックに積み込まれ、県内の精米工場に向けて出荷された。
JA全農は取引先に対し、落札金額に必要経費だけを加えた額で販売するよう要請。取り合いが起こらないよう「備蓄米」と表記しないことも求めている。
農水省が10〜12日に実施した備蓄米の初回入札には、JA全農を含む7事業者が参加。入札対象の15万トンの94・2%にあたる14万1796トンが落札された。平均落札価格は60キロ・グラムあたり2万1217円。
江藤農相は18日の閣議後記者会見で「需給が安定し、流通が正常化して、落ち着きを取り戻すことを期待している」と述べた。月内に残る7万トンの入札を予定しているが、「政策効果が得られなければ、追加は当然必要だ」とし、さらなる放出の可能性に言及した。