「八田與一よ。隠れるな」別府市ひき逃げ事件、容疑者の情報提供呼びかける新たな手配動画
発生から時間がたち、情報が少なくなる中、県警は6月以降、時間の経過を踏まえた似顔絵や情報提供を呼びかける新たな動画を公開。
再び目撃情報などが寄せられるようになっており、関係者は「八田容疑者を見つけるきっかけになってほしい」と期待を込める。(大山楓子)
「八田與一よ。隠れるな」
約3分の動画のラスト、黒字に白抜きで映し出された文字と音声で八田容疑者に出頭を呼びかける。はだしのまま走る防犯カメラの映像や、これまでに関係者から提供された動画が次々に流れ、175センチ、切れ長のつり目といった身体の特徴や肉声も確認できる。
県警が6月に公開した、八田容疑者の現在の姿を想像して描いた6枚の似顔絵も紹介している。
事件は2022年6月29日夜、別府市野口原の県道交差点で発生。軽乗用車が信号待ちをしていたバイク2台に追突し、原付きバイクの男子大学生が死亡するなどした。
県警は八田容疑者を公開指名手配。警察庁も昨年9月8日、重要指名手配容疑者に指定した。
動画は、県警交通指導課が今まで以上に多くの人に事件を知ってもらおうと作成し、8月に県警公式ユーチューブや公式SNSで公開し、今月5日現在で約2万7000回再生された。「八田與一、この顔見たら110番」と呼びかける15秒の短いバージョンもある。
県警への情報提供件数は8月末現在で6937件。1か月に1000件近い情報提供が寄せられたこともあったが、昨年11月以降は減少傾向で、1か月で約160件ほどの時期もあった。似顔絵や動画の効果か、7、8月は計1047件で前年同期の約2倍となった。
県警交通指導課の山下基成次席は「一日も早く八田容疑者を逮捕するために、色々と工夫している。新しい人に知ってもらうことで、今後の情報提供にも期待したい」と話している。