「アレフ」7億円超を不申告か 賠償金支払い逃れの可能性
オウム真理教の主流派後継団体「アレフ」が公安調査庁に報告する資産額が、近年はピーク時の1割に満たない額で推移していることが14日、公安庁への取材で分かった。同庁は2024年2月時点で少なくとも7億円を報告していないと分析。
地下鉄サリン事件などの被害者側に対する多額の賠償金の支払いを逃れるため申告を避けているとみている。
公安庁によると後継団体はほかにアレフから分派した「山田らの集団」と、元幹部の上祐史浩氏が設立した「ひかりの輪」がある。
所属なしを含めた「オウム真理教信者」は25年1月時点で計約1600人。3団体は観察処分の対象で3カ月ごとに構成員や資産などの報告義務を負う。
アレフの報告資産は19年2月時点で過去最大の約12億8千万円を計上したが、20年以降は下降線をたどり24年2月には約800万円まで減少した。25年2月は約6100万円だった。
1996年のオウム真理教の破産後、アレフは遺族らへの賠償を続けるとしていたが、「オウム真理教犯罪被害者支援機構」に対する約10億円の支払いは滞っている。