「中学生の頃から人を殺す気持ち味わいたい」高齢男性を殺害…元陸上自衛官に無期懲役の判決 京都地裁「無差別殺人、人を殺す葛藤も見られず」
2年前、京都市東山区のマンションで82歳の男性を殺害した罪に問われていた元陸上自衛官の男の裁判員裁判で、京都地裁は23日、男に検察側の求刑通り「無期懲役」の判決を言い渡しました。
京都地裁は23日の判決で、「無差別殺人の事案であり、動機は身勝手で『人を殺す葛藤』も見られない。人命軽視が著しく、極めて強い非難に値する」と理由を指摘しました。
■抵抗されにくい高齢者狙い犯行後も徘徊…検察側「無差別殺人」無期懲役を求刑
起訴状などによりますと、祝園分屯地(京都府精華町)の陸上自衛官だった水島千翔被告(22)は、2023年12月、京都市東山区のマンションの踊り場付近で、住人の岡田好次郎さん(当時82)を転倒させて背中を複数回踏みつけた上、包丁で背中を複数回刺して殺害したとして、殺人などの罪に問われていました。
これまでの裁判で、水島被告は起訴内容を認めた上で、「中学生のころから、人を殺す気持ちを味わってみたいと考えていた。仕事から逃げ出すための口実を作りたい」との動機から、抵抗されにくい高齢者や女性・子供を対象に人目につかないところで犯行を決意して、勤務先の分屯地から包丁を持ち出して犯行に及び、事件後も殺害対象として、女性や子供を探して徘徊していたことが明らかになっていました。
検察側は「誰が被害者になってもおかしくない理不尽極まりない無差別殺人。包丁についた血が自分につかないように被害者の服で血を拭った上、ポケットにしまい逃走するなど、場当たり的、衝動的なものとは言えず、相応に準備した上で犯行に及んでいる」などと指摘して無期懲役を求刑。一方、弁護側は「更生の可能性がある」として、刑を軽くするよう求めていました。
