「飲む中絶薬」の無床診療所での使用 “異例”の結論先送り 体制整備などに“懸念の声” 厚労省の審議会
国内初の飲む妊娠中絶薬を入院できない診療所でも使用できるように条件を緩和することについて、きょう、厚生労働省の審議会で議論されましたが、「体制の整備に時間が必要」などの声を受けて、結論は異例の先送りとなりました。
国内初の飲む中絶薬「メフィーゴパック」は現在、入院ができる医療機関で服用し、その後は院内で待機することが必須になっています。
この薬について、販売後の調査で一定の安全性が確認されたことなどから、厚労省は中絶手術が行われているものの入院設備のない診療所でも服用できるように検討していて、厚労省の専門部会も先月、その方針を了承していました。
しかし、きょう開かれた厚労省の審議会では、日本産婦人科医会がこの方針について、薬を使用できる医療機関が急増し、流通管理の事務手続きなど「体制の整備に時間が必要」と懸念の声をあげたことが明らかになり、結論は先送りになりました。
厚労省は改めて専門部会で議論する方針で、これは極めて異例の対応です。
一方、審議会では患者が医療機関から16キロ以内に住んでいるなどの条件を満たせば、この薬を投与した後に帰宅できるようにすることについては了承されました。