米UFO年次報告、757件 4割は鳥や無人機 米国防総省の全領域異常対策室 衛星誤認例も
米国防総省の全領域異常対策室(AARO)は14日、未確認飛行物体(UFO)に関する年次報告書を発表した。今年6月までの1年間に757件の報告があり、約4割は鳥や気球、無人機などと特定した。宇宙企業スペースXの衛星通信網「スターリンク」の衛星を誤認する報告が増えているとも指摘したが、件数は明らかにしなかった。
報告書は「地球外生命体やその活動、技術の存在を示すような証拠はない」と強調した。米国では航空の安全や領空防護の観点からもUFOへの関心が高い。米軍機のパイロットからは安全上の懸念が2件、追尾されたとの報告が3件あった。民間航空機の乗務員は「円筒形の物体」とのニアミスを1件報告した。核関連施設近くでの18件は無人機だった。
今回の報告書は昨年5月から今年6月までに目撃された485件と、2021〜22年に目撃されたが遅れて報告があった272件をまとめた。地理的には米国のほか、日本近辺や中東など米軍の活動地域に偏っている。
スターリンク衛星は当初「発光現象」と報告されたが、目撃前にフロリダ州から打ち上げられた衛星と分かった事例が紹介された。正体が解明できていない報告は今後も調査を進める。