オリンパス元社長に有罪 違法薬物譲り受け「常習的」―東京地裁
違法薬物を譲り受けたとして、麻薬特例法違反罪に問われた精密機器大手「オリンパス」の元社長兼最高経営責任者(CEO)シュテファン・カウフマン被告(56)の判決が27日、東京地裁であった。駒田秀和裁判官は「常習的な行為の一環だ」として懲役10月、執行猶予3年(求刑懲役10月)を言い渡した。
駒田裁判官は、カウフマン被告が密売人からコカインなどを継続的に入手しており、「違法薬物と関わりが深く、依存していたことが明らかだ」と指摘。被告が密売人から脅され、関係を切れなかったと話したことに触れ、「自ら注文して入手しており、酌むべき点とは言えない」と述べた。
一方、薬物を断っていることがうかがわれるなどとして、執行猶予が相当と判断。「まっとうな社会生活を送ることを願っています」と説諭した。
判決によると、カウフマン被告は昨年6〜11月、東京都内で計3回、自称カメラマン金子高明被告(44)=同法違反罪などで起訴=からコカインやMDMAとみられる違法薬物を譲り受けた。
ドイツ国籍のカウフマン被告は昨年4月にオリンパス社長兼CEOに就任したが、今年10月辞任した。