「人を害する目的ではない」「殺意はない」と一部否認 岸田前首相襲撃・木村隆二被告の裁判員裁判始まる
岸田前首相の演説前に爆発物を投げ込み、殺人未遂などの罪に問われている男の裁判員裁判が4日、和歌山地裁で始まり、男は起訴内容を一部否認しました。
木村隆二被告(25)は2023年4月、和歌山市の漁港で、演説前の岸田前首相の近くに自作の爆発物を投げ込み、聴衆と警察官の2人にケガをさせた殺人未遂や公職選挙法違反など5つの罪に問われています。
入廷した木村隆二被告は、髪は短髪となり、黒のジャケットを着用。弁護団と小声で会話をした後、開廷を迎えました。その後、罪状認否で「間違っているところもあります」と述べ、爆発物について、「人を害する目的ではないです」「殺意はありま
せん」と、起訴内容の一部を否認しました。
これまでに、検察側は爆発物の専門家などを証人に呼び爆発物の殺傷能力を立証する方針を示しています。
裁判は5日間行われる予定で、判決は2月19日に言い渡されます。
木村被告は事件前、「2022年の参議院選挙に立候補しようとしたが、年齢を満たさないなどとして立候補できず精神的苦痛を受けた」などと選挙制度への不満を訴え国を相手取り民事裁判を起こしていましたが、捜査段階では一貫して黙秘していて、詳しい動機は明らかになっていません。
この民事裁判では、一審・二審ともに木村被告の訴えが退けられ、判決は確定しています。