汚水の緊急放流が終了した水路＝4日午前、越谷市恩間新田

埼玉県八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故で、県は3日、春日部中継ポンプ場で汚水の緊急放流を終了した。
汚水を受け入れていた新方川近くの春日部、越谷市民らは「臭いが薄れ、水の汚れも目立たなくなった」と安堵の表情を浮かべた。

県は陥没した八潮市の現場で、上流から下流に汚水を迂回。一方で下水の量を減らすため、1月29日から、春日部市大場の春日部中継場で汚水を緊急放流していた。
八潮市でポンプを増設し、排水能力を強化したとして緊急放流を終了した。

県下水道事業課、水環境課によると、モニタリングで水質の数値改善を確認するまでには、数日かかる見込みという。
県は汚水の放流を止めた一方、中継場上流から希釈水の放流を継続。「水質を見ながら将来的には止めたい」としている。

中継場から約500メートルほど下流の越谷市内でいつも用水近くを散歩するという70代の男性は「水は減ったし、ずいぶん透明になった。臭いも少ない。前は本当にひどかったから」と話した。
さらに下流で春日部市武里団地近くの新方川沿いの店舗で働く男性店員（48）は「今日は臭いがしないね。ずっと臭いがきつかった」と笑顔を見せた。