練馬で中学校分断する道路計画 区「周辺の混雑緩和」 保護者ら「安全性懸念」 反対署名約3千筆
東京都練馬区が、区立中学校の敷地を分断して貫く形で新たな道路を建設し、同時に老朽化した校舎などの建て替えを計画している。
近くの生活道路の混雑緩和が狙いだが、校舎と、体育館や運動場が道路で分断される。保護者や地元住民が安全性などへの懸念から、反対の声を上げている。(浜崎陽介)
「中学校を分断して道路を造るなんて聞いたことがない」「騒音や安全など子どもたちの学習環境は守られるのか」。
2月9日、区民有志でつくる「大二中を分断する道路計画を考える会」が区内で開いた集会に、地元住民ら約100人が出席し、懸念を明かした。
敷地内を通る道路が計画されているのは、区立大泉第二中学校。計画されている道路2本は、1947〜66年に都市計画決定された。
同会の鈴木達夫代表は「何十年もたった計画をなぜ実行するのか」と疑問を投げかける。会は見直しを求める約3千筆の署名を区に提出。現在も署名集めを続けている。
区によると、近くの「学芸大通り」などの生活道路は、特に朝夕の通勤通学時間帯に車やバス、自転車、歩行者らが錯綜し、住民から「危ない」「子どもを歩かせられない」などの声が寄せられている。緊急車両が円滑に走れるようにする目的もある。