高市首相、能登被災地を初視察 復興「国家の責務」
高市早苗首相は7日、昨年の地震と豪雨で大きな被害を受けた石川県能登半島の被災地を視察した。政府として引き続き復旧・復興に全力を挙げる方針を表明。記者団に「活気ある街並みを取り戻すことが国家の責務だという思いを強くした」と語った。10月の就任後、首相の能登訪問は初めて。
首相は午前中に輪島市の能登空港に到着後、犠牲者慰霊碑の前で黙とうし、献花。珠洲市に入り、土砂崩れ現場と応急仮設住宅を視察した。
午後は地震で大規模火災が起きた輪島市の「朝市通り」を訪問。穴水町の仮設商店街では入居者から現状について説明を聴き、必要な支援策に関して意見を交わした。多くの旅館が休業を余儀なくされている七尾市の和倉温泉にも足を運んだ。
一連の視察後、首相は記者団に「地震、豪雨による被害の甚大さを目の当たりにした」と強調。関係自治体と連携しながらインフラの復旧や生活の再建を目指す意向を示した。
具体策としては「被災した旅館などの再建支援は重要だ」と指摘。大型施設の建て替えなどに対する支援の拡大を検討していると明らかにした。
2026年度中の防災庁新設に向けて準備を進める意向を表明。「わが国の防災全体を俯瞰(ふかん)的に捉え、徹底した事前防災と発災後から復旧・復興まで一貫した司令塔機能を担うのにふさわしい組織として検討する」と述べた。
視察には牧野京夫防災庁設置準備担当相と馳浩石川県知事が同行した。
