肛門に性玩具も…実態解明を困難にさせる違法風俗スカウトグループ「ナチュラル」恐怖の”ペナルティ”
国内最大規模の違法風俗スカウトグループ「ナチュラル」に在籍していた男性がメンバーから監禁され暴行を受けた事件の判決公判が3月26日、東京地裁(日野周子裁判長)で開かれた。
その中で、監禁の罪に問われている桃谷一輝被告は懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を受けた。
「昨年2月、桃谷被告ら5人は、グループのお金を着服した30代の男性メンバーをフライパンなどで殴る蹴るの暴行を加え、全治半年のケガを負わせました。男性が警察に駆け込まないよう、アザなどのケガが治るまでの1週間、新宿のアパートに監禁。桃谷被告は暴行に加わらず男性の監視役を務めていました。その後、5人は逃走していましたが、1月17日に板橋署に出頭。事件を巡っては昨年11月、幹部の沢田和哉被告、兼子エディ被告を含む十数人が逮捕されています」(全国紙司法担当記者)
桃谷被告は3月21日に開かれた初公判で起訴内容を認める一方で、グループの質問になると、「申し訳ありませんが会社のことに関しては言えないです」と繰り返し、証言をすることはなかった。
桃谷被告がグループを会社≠ニ表現したように、ナチュラルは幹部をトップとしたピラミット型の組織構造を成している。
「ナチュラルは東京・歌舞伎町を拠点に活動し、現在は北海道から熊本まで全国の繁華街に進出。グループには1500人以上が所属し、1000万円以上稼ぐスカウトも在籍しています。年商は数十億円に上り、その一部が暴力団に流れているとみられ、警視庁は実態解明を進めています」(前出・記者)
それを阻むのが暴力による支配と徹底した情報統制だ。グループ内でお互いを本名ではなく、“源氏名”で呼び合い、連絡もグループ独自のアプリでやり取りするなどして、外部に情報が漏れないようにしている。それを徹底させているのが“ペナルティー”だ。男性はグループの規約を破り、ペナルティーとして凄惨なリンチを受けることになった。
「グループの規約を破った者は高額な罰金に加え、激しい罰を科されます。今回の被害者は殴る蹴るの暴力に加え、全裸にされ、肛門に性玩具を入れられて尻から出血するほどのケガを負わされたそうです。恐怖心と屈辱を与えることで反抗できなくなるまで精神を追い込むのです。男性は今もフラッシュバックに苦しんでいるそうです」(歌舞伎町関係者)
こうした恐怖のペナルティーを恐れて、桃谷被告は証言をしなかった可能性が高い。今後は沢田被告ら幹部たちの裁判が予定されている。
「エディ被告が規則を破った者に対して反省文を書かせており、暴力を主導していたと思われます。沢田被告は制裁に参加し、時にエディ被告をなだめて被害者を懐柔するといった役割分担もあったようです。桃谷被告同様に部下たちが口を割ることは考えづらいでしょう」(前出・関係者)
このように、徹底した警察対策を講じる秘密結社的側面を持っていることから、警視庁は彼らを「反社会的組織」と断定。
広域強盗事件を起こした「ルフィグループ」同様、撲滅を目指す「匿名・流動型犯罪グループ」の一つとして撲滅を目指している。
そのためにはナチュラルの実態解明が急がれる。今後は、逮捕された幹部たちの証言をいかに引き出せるかが焦点になりそうだ。