百貨店売上6兆円割る…衣料品不振、爆買い鈍化
日本百貨店協会は20日、2016年の全国の百貨店売上高が前年比2・9%減の5兆9780億円(全店ベース)だったと発表した。
6兆円の大台を割り込むのは、1980年以来36年ぶりとなる。ピークの91年に比べると6割の水準で、主力の衣料品の販売不振が響いている。
訪日外国人客の「爆買い」も勢いが鈍化しており、百貨店の苦境は続きそうだ。
百貨店協会の近内哲也専務理事は20日の記者会見で昨年を振り返り、「売り上げはこの25年間右肩下がりの状況が続いている。他の商業施設などと競合が激化し、特に40歳以下の若い世代を取り込めていない」と述べた。売上高の前年割れは2年連続となる。
商品別では、化粧品を除くすべてのカテゴリーがマイナスとなり、全体の売上高の3割を占める婦人服や紳士服などの衣料品が5・8%減の1兆8933億円と大きく落ち込んだ。
爆買い効果で好調だった訪日客向けの免税品売上高も、5・3%減の1843億円に縮小した。