年末調整、従業員自らネット手続き…政府が準備
政府税制調査会(首相の諮問機関)は16日の総会で、納税手続きを簡便にするための方策を議論し、年末調整について電子化する必要があるとの認識でおおむね一致した。
財務省と国税庁は、すでに金融機関と協議に入っており、2018年度税制改正大綱に電子化の方針が盛り込まれる見通しだ。
企業は従業員に給与を支払う際、所得税をあらかじめ差し引いて国に納付している。これを源泉徴収という。
年末に所得税額に過不足が出ると、企業が従業員に代わって調整している。
年末調整のうち、住宅ローンの借入残高に応じて所得税を減らす「住宅ローン減税」と、生命保険料の支払額を所得から控除できる「生命保険料控除」を受けるには、従業員が自ら手続きすることが必要だ。
現状は、銀行や生命保険会社から控除などの証明書を紙で受け取り、所定の申告書に書き込んで勤め先に提出することになっており、手続きが煩雑だとの声が上がっていた。
政府はこうした証明書や申告書を電子化し、インターネット上で簡単に手続きできるよう準備を進めている。
従業員はまず、銀行や保険会社から電子化された証明書を受け取る。
あとは、国税庁が新たに設ける専用サイトを使って申告書を作成し、それを勤め先に送れば作業が完了する仕組みを想定している。