最古級の日本刀だった…春日大社・天井裏の1本
約80年前に春日大社(奈良市)の宝庫の天井裏から見つかった太刀を研磨したところ、平安時代後期(12世紀)に作られた最古級の日本刀と判明したと、同大社が22日、発表した。
専門家は「制作当初の刃が残っており、刀剣史上、貴重だ」としている。
日本の刀剣は古代、反りのない直刀だったが、平安時代後期、反りなどの特徴を備えた日本刀が成立したとされる。
今回の太刀(刃渡り82・4センチ)は1939年に天井裏から見つかった刀12本のうち1本。さびに覆われ、詳細は不明だった。
鑑定の結果、無銘だったが、刃に表れた模様などから、最初期に伯耆(現・鳥取県西部)で作られた「古伯耆物」と判断した。
豊臣秀吉らが所有した「童子切」(国宝)で知られる刀匠・安綱作の可能性があるという。
太刀は30日〜3月26日、同大社国宝殿で展示される。