万博開催までの国費総額は1647億円、19日にも公表…「機運醸成費」は今後増加の見通し
2025年大阪・関西万博を巡って、政府が誘致から開催までにかかる国費の総額を現時点で約1647億円と算定したことがわかった。万博の関連費用を政府が整理し、全体像を示すのは今回が初めてとなる。費用を明確にすることで透明性を確保し、国民の理解を得たい考えだが、思惑通りとなるかどうかは不透明だ。
自見万博相と斎藤経済産業相が19日にも公表する。総額のうち、参加国との交流事業や広報活動などにかかる機運醸成の費用は現時点で約38億円だが、今後増える見通しだ。
政府の資料によると、総額の内訳は、国と大阪府・大阪市、経済界が3分の1ずつ負担する会場建設費が最大783億円。日本館の建設などにかかる費用は最大360億円、発展途上国の出展支援は約240億円、警備費は約199億円、機運醸成の費用は約38億円と見積もった。このほか、万博の誘致や博覧会国際事務局(BIE)に提出した開催計画の作成に伴う調査などに計約27億円を使用した。
間接的な経費として、大阪・関西地域の道路や港湾などのインフラ整備に約9・7兆円、万博会場での実証実験や情報発信を検討している各省庁の事業として約3・4兆円を挙げた。これらの経費は、「万博のための新規・追加的なものではない」と説明している。
日本国際博覧会協会(万博協会)が14日に公表した会場の運営費1160億円に関しては、入場券収入や施設使用料で賄うため、国費を投入しない経費と整理した。
万博を巡っては、大阪府・大阪市、経済界の負担分を合わせた会場建設費が当初想定していた1250億円から、約1・9倍の2350億円に上振れしている。