現役引退表明の岡崎慎司「幸せ」「最後までやりきる、らしい終わり方」ホーム最終戦で有終の美
<ベルギー1部リーグ:シントトロイデン1−1ルーベン>◇中位プレーオフ◇17日◇大王わさびスタイエンスタジアム
今季限りでの引退を表明したシントトロイデンのFW岡崎慎司(38)が、ホーム最終戦となったルーベン戦に先発出場した。センターFWとして後半7分までプレー。ピッチから退く際には両チームの選手とスタッフが花道をつくり、岡崎は笑顔。サポーターの温かい拍手に包まれた。日本選手7人が出場した試合は1−1で引き分けた。
「ダイビングヘッド」が代名詞のストライカーは歴代3位の日本代表通算50得点。今季は負傷の影響もあってシントトロイデンで出場機会を減らし、この日が7試合目の出場だった。先発は今季初。最後まで精力的に最終ラインの背後への動きだしを繰り返した。
試合後、クラブ公式YouTubeのインタビューで「足が痛い中でのプレーだったが、飛ばしていこうと思った。最後までやりきるという意味では、らしい終わり方。(最後の花道は)相手チームにまでやってもらえて、本当に良い終わり方ができた」と語った。
シントトロイデンはGK鈴木彩艶、MF伊藤涼太郎がフル出場し、U−23日本代表のMF山本理仁と藤田譲瑠チマが後半15分までプレー。ルーベンはMF三竿健斗、DF明本考浩が先発した。
「幸せ。自分自身が欧州に来て何度も日本の選手とブンデスでもプレミアでもスペインでもやった。常にその場に日本人がいて、その選手たちのおかげで僕もやって来られたと思う。シントトロイデンで若い選手と一緒にやりながら、こういう選手たちをプレーで引っ張れない悔しさをめちゃくちゃ感じつつ、それが引退を決意させる一つの要因だった。そういう若い選手たちと一緒に最後を迎えられたのは運命なのかなとも思う。それも含めて良い終わり方だった」
岡崎は2008年に日本代表デビューし、75得点のFW釜本邦茂、55得点のFW三浦知良に次ぐゴールを積み重ねた。FIFAワールドカップ(W杯)は10年南アフリカ、14年ブラジル、18年ロシアと3大会連続でピッチに立ち、日本代表通算119試合出場は史上5位。
兵庫・滝川二高から05年にJ1清水エスパルス入り。11年からは欧州で活躍し、ドイツのシュツットガルト、マインツを経て、15年に加入したイングランドのレスターではプレミアリーグ優勝に貢献した。スペインでもプレーし、欧州5大リーグのうち3つでゴールを記録。22年にシントトロイデンに入った。