丸山大輔被告（共同）

長野県塩尻市の酒蔵兼自宅で2021年9月、妻（当時47）を殺害したとして、殺人の罪に問われた元長野県議、丸山大輔被告（50）は16日、長野地裁（坂田正史裁判長）の裁判員裁判初公判で「妻を殺害したのは私ではない」と起訴内容を否認し、無罪と訴えた。

弁護側は、被告は起訴状にある犯行時間帯は長野市の議員会館にいたとし「犯人は丸山さんではない」と主張した。

検察側は冒頭陳述で、被告が妻の実家から約4千万円の借金を背負い、県議選出馬でも支援を受けていたと指摘。交際中だった別の女性との関係を続けるため、妻を殺害するしかないと犯行に至ったとし「身勝手な犯行動機で悪質だ」と述べた。

弁護側は、妻は被告を献身的に支えていたとし「被告にとってかけがえのない存在だった」と反論。議員会館には、他の議員らがいたため誰にも気付かれずに車に乗って現場へ行くのは困難だとし、被告が犯人だとする検察側の訴えに「直接的な証拠はない」とした。

初公判から判決まで予備日を含め計24日間の公判期日が指定され、多数の証人尋問を予定する。

起訴状によると、21年9月29日午前1時44分〜同3時4分ごろ、自宅で妻の希美さんの首を何らかの方法で圧迫し、窒息死させたとしている。