高額療養費、8月上げ見送り検討 首相ら協議へ、患者団体など批判
政府、与党は「高額療養費制度」の負担上限額引き上げ方針をさらに見直す方向で調整に入った。予定していた8月からの引き上げを見送る案も含めて検討する。関係者が7日、明らかにした。石破茂首相が7日夜にも関係閣僚や与党幹部と協議する見通しだ。患者団体による「治療が続けられず命に関わる」との訴えや野党の批判に加え、参院選を控えた与党内からも見直しを求める声が出ていた。
首相は1週間前に再修正を表明したばかりで、修正すれば3度目となる。
政府の当初方針は、昨年末に決定。2025年8月から27年8月にかけて負担上限額を段階的に引き上げる予定だった。患者団体などの反発を受け2月14日、福岡資麿厚生労働相が方針の一部修正を表明し、長期の治療が必要な患者の負担を据え置くとした。さらに28日には首相が、25年8月の引き上げは維持しつつ、26年8月以降の制度設計は今秋までに再検討すると表明していた。
25年度予算案は衆院を通過した一方、首相が維持した8月引き上げに対しては、与党にも凍結論が高まっている。