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ITmedia ビジネスオンラインファミマ「涙目シール」全国展開へ 「思わず助けたくなる」声受け...

涙目シールを貼り付ける様子(編集部撮影)

ファミリーマートは3月11日から、消費期限の迫ったおむすびや弁当などに貼る、値下げシールのデザインを全国の店舗で順次切り替える。
新しい値下げシール(以下:涙目シール)は、涙目の表情をしたおむすび型のキャラクターと、「たすけてください」というメッセージが描かれたもの。来店客の感情に訴えるデザインが話題を呼んでいる。

東海地方の店舗を皮切りに、順次導入を進める。
対象商品は、おむすびや弁当、サンドイッチといった消費期限のある中食商品。値下げシールは10円から150円まで7種類あり、販売状況などに応じて、店舗の判断により使い分ける。

2024年10〜11月に一部の店舗で行った試験導入では、シールを変更した値下げ商品の購入率が5ポイント上昇する効果がみられた。
購入者からは「思わず助けたくなるイラストだった」といった声があったとのことで、全国への拡大後は、年間で約3000トンの食品ロス削減につながる見込みだという。

販売機会を失うリスクが減ることから、フランチャイズ加盟店も注目しているようだ。サステナビリティ推進部部長の大澤寛之氏は「加盟店向けの説明では、『いつから始まるのか』『どのくらいの効果があるのか』といった期待の声が聞かれた」と話す。

涙目シールにはバーコードが付いていないため、購入時には有人レジを利用する必要があるが、セルフレジへの対応も検討しているという。

あわせて、おむすびや弁当、すしといった米飯商品約70品目で消費期限を延長する。ファミリーマートでは米飯商品の品質向上を図るべく、以前から全国の工場で、炊飯用機械の入れ替えや水量・火力の調整など製造工程を見直してきた。一方で、「品質の改善に伴い、消費期限をどこまで延長できるか」という点は、これまで検証できていなかったという。

今回の延長にあたっては、こうした改善をしてきた各工場の米飯商品について、半年にわたり品質を検証。その結果、米飯商品に特有の「時間が経過するとお米が硬くなってしまう」課題をクリアできると判断したことから、2時間の消費期限延長に踏み切ったという。涙目シールへの切り替えによる効果と合わせて、食品ロスのさらなる削減を図りたい考えだ。

コンビニ各社や食品メーカーでは、食品ロス・購買機会ロスを削減する目的から、消費期限や賞味期限を見直す動きが広がっている。セブン-イレブンは2024年3月から、「手巻おにぎり」5品の消費期限を平均8時間延長。ローソンは2024年7月から、同じく「手巻おにぎり」5品の消費期限を6時間延長した。農林水産省は食品事業者に対し、商品の賞味期限の延長を呼びかけており、今後も同様の動きが続くか注目される。

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