体育館避け車庫やハウスで生活 環境過酷、近隣と肩寄せ合う
能登半島地震の被災地では、発生3週間となっても車庫やビニールハウスで避難生活をする人がいる。見知らぬ人と同一空間で生活し、感染症の恐れもある体育館や公民館といった避難所を避けるためだ。厳しい寒さや停電、断水といった過酷な環境に身を置きながらも近隣の人らと肩を寄せ合い、日常に少しでも近づけようとしている。
石川県輪島市の山あいの長井町。今月中旬、中学生から70代までの約20人が農業用ビニールハウスで寝泊まりしていた。食事は支援物資か避難所などでの炊き出しが頼りで、電気は隣家から融通してもらう。
近くの男性は自宅が損壊、大人数の施設への避難は感染症などのリスクがあると考えここに来た。仕事で地元を離れられず、2次避難もできない。「大変だけど、仮設住宅ができるまではここにいるしかない」
輪島市や珠洲市によると、公民館や体育館など市の指定避難所以外にも、車庫や倉庫、工場、寺なども各地域で避難所として活用されてきた。