「楽して儲かるなんて仕事はない」麻生太郎氏 成人式での講演に非難殺到、派閥は空中分解危機
1月13日、自民党最高顧問の麻生太郎氏が地元、福岡県飯塚市の成人式に出席した。
麻生氏はそこで演説をおこない、「人生を豊かにしてくれる」として、趣味を持つ重要性を訴えたうえで、「世間の見る目が19歳とは違う」と、成人としての自覚を促し、さらに、「まともな大人なら、楽しくてうまい話があっても、銭が儲かるものなどないことを知っている」と述べ、高額な報酬をうたって犯罪行為に誘導する「闇バイト」への警鐘を促した。
若者に響いたかどうかは別として、麻生氏の発言は世間から顰蹙を買っているようだ。X上では、《お前らは、裏金で楽な事して、お金稼いでるくせに、良くもまあ、こんな事をぬけぬけと言えたな》《世襲の苦労知らずのアソーに説教垂れて欲しくないね》《麻生太郎さんは苦労したコトがあるんでしょうかね…。世襲議員も多く、裏金でも捕まらない》と、辛辣なコメントが多数寄せられた。
「2024年には、裏金問題でほとんどの派閥が消えましたが、現在も存続しているのが麻生氏が率いる麻生派のみ。とはいえ、先の総裁選では派閥候補といえる河野太郎前デジタル相は1回目の投票で候補者9人中8位と惨敗。他派閥ながら有力候補として持ち上げた上川陽子外相も7位と振るわなかったですね。犬猿の仲である石破茂氏が首相になってからは、完全に反主流派として存在感が低下してしまいました。
そんな中、久々に“麻生節”を披露したわけですが、発言の空気の読めなさだけは健在だということでしょう」(政治部記者)
肝心の麻生派も、空中分解の危機にあるという。麻生派の中堅議員がこうこぼす。
「金の切れ目が縁の切れ目ですからね。そもそも派閥パーティーが禁止されているので、年末のモチ代も配れていないです。現在、麻生派が存在する理由は、麻生さんの車と事務所の機能を維持するという理由だけですよ。そもそも、麻生派の源流だった旧河野グループの頃から、麻生さんは政局に弱い。実際、当時は“河野の4バカ”と揶揄されるうちの一人でしたからね。河野洋平さんを首相にできなかった一因は、麻生さんが野中公務元幹事長の“出自”に関して舌禍事件を起こしたことが原因ですからね。いまだにこの事件のことを覚えている人は多いですよ。
裏金問題や、世襲議員について世間ではこれほど批判的な声が多いのに、まるで気にしない姿勢。もはや麻生さんが政治の中枢に返り咲くことはないのではないでしょうか」
国民の気持ちがいつからわからなくなったのか……。