アウシュビッツ強制収容所…解放80年記念し追悼式典
第二次世界大戦中、およそ110万人が虐殺されたアウシュビッツ強制収容所で27日、解放から80年を記念して犠牲者を悼む式典が行われました。
アウシュビッツ強制収容所の解放から80年を迎えた今年、追悼式典には過酷な迫害を生き延びた人々や、ドイツのシュタインマイヤー大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領などおよそ3000人が招かれました。
出席者の1人、マイケル・ボーンスタインさん(84)は1940年、ドイツ占領下のポーランドで生まれ、わずか4歳でアウシュビッツに送られました。
アウシュビッツを生き延びた マイケル・ボーンスタインさん(84)
「(収容所で)父を亡くし、5歳年上の兄を亡くした。祖父母や多くの家族も亡くした。 生き延びたことを幸運に思う一方で、何の意味もなく、これほど多くの人々を失ったことが悲しくてなりません」
ナチス・ドイツは占領下の国々でユダヤ人を徹底的に迫害し、民族ごと消し去ろうと、ガス室を備えた「絶滅収容所」を建設しました。「死の工場」と呼ばれたアウシュビッツでは、およそ110万人の命が奪われました。
アウシュビッツを訪れた 学生
「世界で起きていること、例えば、パレスチナ自治区ガザ地区で起きていることを考えると、誰もが過去に起きたことを忘れてしまっているように感じる」
アウシュビッツを訪れた 学生
「ここに来ると2度と繰り返さないこと、全てのことを心にとめることを教えられます」
人類の負の遺産となったアウシュビッツの記憶をいかに受け継いでいくか、私たちに託された大きな宿題です。