崩落の危険もあり 八潮市陥没 穴からの捜索終了 手がかりなく別手段検討
埼玉県八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故で、地元消防は9日、穴の中で続けてきた不明の男性運転手(74)の捜索活動を終了したと明らかにした。
同日朝に重機で捜したが、手がかりが得られず、崩落の危険もあるためだとしている。
今後、原則として穴は調べず、現場地下の下水道管内の調査など、別の手段を検討する。
県などは、捜索の妨げとなっていた地表近くの農業用水路の撤去を8日に完了。
消防によると、9日午前7時半ごろ、整備したスロープを通じて穴に重機を入れ、土砂やがれきを撤去する作業を開始した。ただ崩落の可能性が認められ、作業は中断。その後もトラックの部品などは見つからず、作業員の安全も確保できないことから、消防は穴の捜索終了を決めた。
運転席部分とみられるものが5日に下水道管内で見つかっており、県は運転手も管内部にいる可能性があるとみている。
県は9日、国土交通省の要請に基づく下水道管の緊急点検で、早急に補修が必要な空洞が2カ所で見つかったとした。
いずれも陥没は確認されておらず、1カ所は既に補修を完了、もう1カ所は近く補修予定としている。
事故は1月28日に発生。穴は徐々に拡大し、消防の調べでは幅約40メートル、深さ最大約15メートルとなった。