八潮陥没の穴「できる捜索終了」…消防、手がかり見つからず
八潮市で県道が陥没してトラックが転落した事故は、11日で発生から2週間となる。安否不明となっている男性運転手の捜索は依然として難航している。
消防は9日朝、安否不明となっている男性運転手の穴内部での捜索活動をおよそ1週間ぶりに再開した。重機でさらった穴内部の土砂を、消防隊員らが目視で確認した。ただ、手がかりは見つからず、更なる崩落の危険性があるとして、捜索は30分で打ち切りとなった。
八潮消防署の佐藤徹司署長は9日夕、記者団の取材に応じ、穴の内部については「消防ができる範囲での捜索は終了した」とした。穴の下流の下水道管内では、トラックの運転席部分とみられるものが発見されている。捜索は今後、下水道管内に移るが、実現の見通しは立っていない。
管内は依然として危険な状況が続いており、佐藤署長は「(下水の)水流や硫化水素の濃度を、消防が活動できる範囲に下げてほしいと依頼しているところ。県や業者と知恵を絞っていきたい」とした。
また10日の報道陣の取材に対して、草加八潮消防局は「環境整備の問題が一番大きい。(消防として)特に入れる場所がない」として、依然として捜索のめどが立っていないことを明らかにした。
一方で県は10日、トラックの運転席部分とみられるものの位置を確認するため、新たな調査を始めたことを明らかにした。地表部から下水道管まで細い穴を開け、小型カメラを入れ、管内の状況を確認する。
県によると、穴を開ける作業は9日に開始。穴は直径15センチ、深さ10メートルほどの細長いもので、ここから小型カメラや、運転席部分とみられるものの位置を測定する機械を入れる。
10日の県危機対策会議で、大野知事は「陥没事故から13日が経過した。消防の捜索活動は、キャビン(運転席部分)らしきものがある場所への移行を検討していると聞いている。水の流れやキャビンの状態をはじめ、下水道管内の状況の的確な把握に努めてほしい」と、県の幹部職員らに呼びかけた。